秋田県のJR奥羽本線 大館駅から小坂鉱山まで、かつて同和鉱業 小坂鉄道という
私鉄が走っていました。晩年は小坂精練
小坂線と、名前を変えてましたね。
この鉄道、他のローカル線と同じで、乗客減少により旅客営業は平成6年9月いっぱいで廃止に・・・。
その後は、小坂鉱山で製造された危険物の濃硫酸を、秋田市まで運ぶ貨物列車は存続されてましたが、小坂精練が濃硫酸の製造を中止したため、平成21年に鉄道線が廃止になってしまいました。
廃止になる前、何度か訪問した時の写真を、スキャンしてみました。
大館駅で発車を待つ、小坂行きディーゼルカー。車内はセミクロスシートで、
台車はコイルばねだけど、乗り心地は良かった記憶があります。
晩年は一日7往復の運転でした。
大館駅を発車するとすぐ、大館市街中心部へ向かう大通りに、踏切警手
さんが手動で遮断機を操作する、大きな踏切がありました。警手さんが
持ってる白い旗は、踏切が閉ってる事を運転手さんに伝える合図です。
そして、これも懐かしい、腕木式信号機が門構えの上に
手すりの無いガーター橋を渡り、段々と山間に分け入って行きます。
木柱のハエタタキ、懐かしいでしょ~。
ローカル線だから、ケーブル少ないけどね。
大館~小坂は23km。茂内駅は、線内唯一の交換駅。
側線が4本ある大きな構内ですが、線路は錆びて草むしてました。
茂内駅を通過する、小坂行き貨物列車。
走りながら、機関士さんがタブレットを受け取るシーンを撮りたかったのですが、タイミングが0.01秒遅かった~(^^;)ホームから降りての撮影、
もちろん駅員さんに許可をもらって撮りましたが、おおらかな時代でした。
上り貨物列車の小坂→茂内間は、途中に急勾配があるので
機関車が3重連になり、鉄道ファンには有名な存在でした。
この日は赤いDD13が1台検査中で、岡山県の同和鉱業片上鉄道から
移籍して来た、予備機のDD13 556が先頭でした。
茂内到着後は、前の機関車2台は切り離されて、
小坂へ重単で帰って行きます。
エンジン全開で急勾配へ挑む3重連
茂内駅に進入する手前にあった場内信号機は、
腕木式が3本も並んでました。
緑の中を行く、キハ2100型気動車。
旅客営業最終日の1994年(平成6年)9月30日は、
3両連結して最後のお別れ・・・。
この日は台風が来て散々な天気でしたが、帰る前の最後のカットを
撮影時には、雨はやんでくれました。
あれからもう18年も経つのですね。
全国に点在していたローカル私鉄、今年は長野電鉄屋代線と、青森県の十和田観光電鉄が廃止になり、地図上からどんどん姿を消してしまいます。
私ら鉄道ファンは、後世にその存在があった事を伝えていこうと、写真を撮ったりお別れ乗車したりして、一過性の事として終わってしまいます。
しかし、地元で車を運転できない地元の高校生やお年寄りは、廃線という現実を、どんな気持ちで受け入れているのでしょうね?